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ケアネット(2150)の株価が急落!今回はその事業内容や業績、暴落の背景を解説します
●ケアネットの事業内容、業績推移
●ケアネットの株価推移、暴落の背景
●ケアネットの業績が順調な理由と今後の成長
ケアネット(2150)暴落の原因は?好調な業績と事業内容を分析!
ケアネットの株価・基本情報
証券コード | 2150 | PER | 41.9倍 |
株価 | 5650円 | PBR | 15.00倍 |
時価総額 | 624億円 | 配当利回り | 0.14% |
※株価情報等は(2021年9月3日現在)
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ケアネット(2150)の株価推移(引用:株探)
ケアネットは現在の株価が5650円、時価総額は624億円で、PER 41.9倍、ROE20.8%、自己資本率は67.6%と稼ぐ力が強いことがわかります。
また、配当利回りは0.14%とグロース企業のため低くなっています。
株価推移を見ていくと、6月にてっぺんの1万円を付けてからずっと弱気になっています。
8月12日に決算発表があったのですが、その発表後ストップ安になりました。そのため、7000円ほどあった株価が一気に4800円まで落ちてしまったタイミングもありました。
ケアネット(2150)の事業内容!ネット×医療の成長株
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ではケアネットはどんな会社なのか、というのをまず説明していきたいと思います!
ケアネットは医療×ITのグロース株企業です。たとえば製薬企業は、営業やマーケティングを行っていく際に、ケアネットが運営するサイトを利用したりしています。
医師の場合は、ケアネットから医薬品情報の提供を受けることができます!
さらに、ケアネットTV というもあり、こちらでは医療従事者向けの教育コンテンツが動画で配信されています。
また、医師の紹介による転職支援のようなことをやっている、ケアネットキャリアというサービスもあります。
現在ケアネットドットコムについては、会員数が383,755人、そして医師会員も19万人近くいて、ケアネットドットコム を通じて医療の情報コンテンツがすぐ手に入るのが非常に強みとなっています。
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ケアネットドットコムの医師会員数推移
実際に海外論文や医療ニュースの紹介、また医療の手技動画や患者指導、ガイドライン解説など、いろんなコンテンツを兼ね備えている医療プラットフォーム、というのがケアネットとなっています。
先ほど少し触れた、ケアネットTVではいろんな医療教育番組がどんどん作られていて、ラインナップが豊富になっていっている段階です。
このように、ケアネットは順調に浸透してきていて、医師会員の登録者は2016年の13万人に対して、2021年は189000人と急拡大を継続しています。
ケアネット(2150)は2021年も業績上昇予想!
ではこのような急拡大の中、2021年度の計画はどうなっているのか。
2021年の通期予想は昨年に比べて、売上高で+44.5%、また営業利益も+46%と非常に高くなっています。
注目すべきは、ケアネットが30%弱ぐらいの営業利益率を誇っていることです。
グロース株企業はなかなか利益を出せていない企業も結構多い中で、しっかりと稼ぐ力もある強い企業と言えるでしょう!
医療×IT銘柄はほかにも「メドピア」「エムスリー」など複数社あいますが、今回のコロナショックによって在宅化、テレワークが求められている医療業界の事情から、このような企業は医療IT特需の恩恵に預かって、どの企業も同様に伸びています。
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MRと呼ばれる医薬品の営業販売も今までは対面方式でしたが、コロナによりデジタル営業も拡大しました
ケアネットの暴落はなぜ?超好決算の第一四半期
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ケアネットの決算推移(引用:株探)
8月12日に出された決算発表の内容ですが、今回は前年同期から+106.9%ということで、去年の2倍以上、さらに利益は3倍以上と素晴らしい決算を出してきました。
このような素晴らしい決算である一方、通期予想は+44.5%、営業利益が+46.4%となっています。
また、4月~6月の第2四半期に関しても前年比の+71.8%、営業利益に関しては2倍ほどと、超好決算で通期予想に対してかなり上回っている状態です。
しかし、通期予想を大きく上回るような決算を出してきたにも関わらず、8月12日の決算発表日はストップ安をつけるような大暴落を引き起こしました。
グロース株の場合は、期待されすぎていてどんなに良い決算を出しても売られる、という銘柄はよくあります。しかし、今回に関しては決算推移が悪かったというより、もっと違う要因があると考えています。
大暴落の原因は新株発行?ケアネットの事業拡大の方針
暴落の要因というのは、「第三者割当による2021年第1回新株予約権を通じた資金調達について」のIRです。この IR が発表されたのが決算と同日でした。
では、この IR情報が何で暴落を引き起こすのか?このことについて考えていきたいと思います。
ケアネットは事業の拡大に向けた資金調達として、新株を発行することを発表しました。
この資金調達額は約63億円で、買値の上限と下限も決まっていて、割当予定先は取引先であるみずほ証券ということになっています。
今回の新株発行で資金調達をして何に使うかですが、主力事業の医療 DXへの開発投資としています。特にスペシャリティ医薬品の DX モデル開発、DX ソリューション開発への取り組みがあげられています。
症例などのオンラインミーティングでの共有や、講演会、医薬品の効果・安全面の理解を普及させるための知見や経験などの共有を、ネットを通じて進めていこうとしています。
この取り組みのために、資金調達をしてもっとプラットフォームを強化していく、ということを発表したのです。
つまり今回のケアネットに関しては、今後事業規模を拡大させて成長していくためにお金が欲しい、ということで資金調達を行うことになりました。
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ここでは詳しく触れませんが、上場企業にとっての資金調達法は銀行からの借金である借入れというのもあります!
これに対して、株式発行は借入信用情報が毀損されることなく資金を調達できるメリットがあります
暴落の原因を分析!投資家の反感を買う新株発行
では新株発行についてですが、今は株価が5600円なので、新株も5600円で買ってくださいね、というのはなかなか通りづらい要望となってしまいます。
企業としても資金を何とかして調達したいので、買い取ってもらえるようにプレミアム価格で販売する必要があるのです。
そして今回、みずほ証券は前日の株価の8%オフの価格で株を買い取ってもらえますよ、ということを発表しています。みずほ証券にとっては前日の株価を見てから更に8%オフで株を買えるということで、とても良い条件になっています。
そして、このような新株発行について発表したことによって、決算後の大暴落が引き起こされました。では何故このような新株発行が大暴落を引き起こすのか、なんで新株発行は株主から嫌われるのかですが、これは株式の希薄化が生まれるためです。
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たとえば、遊戯王カードなどのトレーディングカードは、世界に数枚しかなくて、希少価値が高いものほど値上がりしますよね
株でも同じようなことが言えて、希少性が価値を上げる面があります。
もう少し現実味を帯びた話をすると、今まで株主は、ケアネットの時価総額は600億円ぐらいが適正な価格だと感じて株を買っていました。
そしてこの時価総額というのは、株式数と株価で決まっていきます。発行株式数が多ければ、株価は低くても600億円に達します。一方で、株式数が一定であるときには、株価が上がっていくと時価総額も一緒に上がっていきます。
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では、今回の新株発行がどういうことを意味するか考えていきましょう
新株の発行によって、株式数は急激に膨れ上がります。一方で株式数が増えても、会社そのものの価値である時価総額は変わりません。
つまり株式数が増えたことによって、時価総額600億円を維持するためにはその分、株価が下落せざるを得ないことになります。
さらに加えて今回の新株発行に関しては、その日の株価の8%オフで買えるという特典がみずほ証券にはついています。
従来の投資家はその時の株価で購入し、その株に希少性を感じてずっと保有していました。
それなのにも関わらず、突然株式数が増えたことで希少価値が下がるのに加え、みずほ証券には8%オフで流しますというのは、既存の投資家からすれば
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なんだよそれ!!!怒
ということになってしまいますよね。
このようなことから、今回の新株の発行は既存の株主からすれば裏切り行為なんじゃないか、ということで嫌気が差して売られたために、株価の暴落が起きたと推察されますしかし、その後4800円→5600円に持ち直しているので、さすがに落ちすぎたと判断されたのかもしれません。
ケアネットの今後の成長に期待?
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新株発行は絶対に悪!というわけでもありません
たとえば、みずほ証券から株を買い取ってもらって資金を調達したケアネットが、事業を急拡大したことで業績がアップしたとします。
そうすると、そのような業績アップした企業の株を買いたいという人が出てきて、株価は上昇する傾向にあります。
そのため、一概に増資が悪いかどうかは言えないですが、新株発行という形ではなく、借り入れという選択をしても良かったのではないかなとも思います。
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そのあたりは難しいところです…
ケアネット(100株56万)を購入するのにおすすめの方法
ケアネットは現在株価5600円ほど、100株購入するには56万円ほどの資金が必要になります。
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1銘柄に56万円も突っ込めないよ…
多くの個人投資家にとって、このような金額を一銘柄に投資することは勇気がいることであり、また、分散という観点からもリスクが高すぎます
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投資をする上では分散が基本!1銘柄に集中投資は大きなリスクが伴います
幸い高配当株の場合は、1株購入の場合でも配当金が支払われます。
このため、1株購入が可能な「Line証券」などを使い、自分の資金量に応じた株数を購入することを強くお勧めします。
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