キーエンス(6861)の営業利益が高い理由は?今回はその事業内容や驚異の業績を生み出す仕組みについて解説していきます。
この記事を読むと何がわかるか?
●キーエンスの業績と事業内容
●キーエンスの営業利益率が高い仕組み
●キーエンスの配当金推移と直近の業績
日経平均に新採用のキーエンス(6861)!営業利益率が凄い
キーエンスの株価・基本情報
証券コード | 6861 | PER | – |
株価 | 75500円 | PBR | 9.34倍 |
時価総額 | 18兆3622億円 | 配当利回り | 0.26% |
※株価情報等は(2021年9月13日現在)
キーエンスは現在の株価が75500円、時価総額は18兆3622億円で、配当利回りは0.26%となっています。
株価の推移を見ていくと、2013年から右肩上がりに伸び続けていることが分かります。
そして、キーエンスは日本の時価総額ランキングでトヨタに次いで第2位に浮上しています!
キーエンスがこんなエリート企業だったなんて知らなかったよ。
特に最近では「日経平均株価」に採用され、話題となっている銘柄ですが、その実態がわからない方も多いのではないでしょうか!
キーエンス(6861)は驚異的な営業利益率!決算内容を見てみよう
今回は事業内容を確認する前にキーエンスの業績を見ていくよ。
2021年の通期決算は売上高が5381億円、営業利益が2767億円となっております。
そしてなんと、営業利益率は51%という凄まじい業績を出しています!
営業利益は売上から原価や人件費、広告費を除いた利益のことを言うよ。この営業利益率が51%ってあまりにも凄すぎじゃない?
それにもかかわらず、キーエンスは日本の平均年収ランキングで1位を取ったこともあるって聞いたことあるよ。人件費を削っている訳ではないんだね。
キーエンス(6861)の事業内容!なんの会社?謎の仕事内容とは?
なぜ、キーエンスはこんなにも稼ぐ力が強い会社なのか、
事業内容を一緒に見ていきましょう!
キーエンスは精密機械を取り扱う企業で、この精密機械はファクトリーオートメーション(工場の自動化)のために利用されています。
実際に多く取り扱われているものとしてセンサーや顕微鏡などが挙げられます。
例えばセンサーの場合、工場の生産ラインを流れる製品を高速に読み取ったりと、ライン管理を効率化するために利用されます。
センサーだけでさっき言ってた営業利益を叩き出すのって到底無理だと思うんだけど。。。
確かにそう思うよね。じゃあ、次からはキーエンスが高い利益率を出す仕組みについて見ていこう!
キーエンスの営業利益率が高い仕組みは?キーエンスの戦略。
営業利益率50%以上を叩き出すキーエンスが他の企業と何が違うのかな?
キーエンスが他の企業と違う理由、それはキーエンスが注力する2つの戦略「Development」と「Direct Sales」がキーポイントになっています。
1つ目の戦略「Development」とは商品開発のことを意味しており、なんとキーエンスの商品の7割が業界初、世界初のものです!
それではこの業界初、世界初の商品がどうやって50%以上の利益率を生み出しているのでしょう?
そこで重要となってくるのが2つ目の戦略「Direct Sales」となります。
「Direct Sales」とは現場を把握し、顧客の課題を解決するための営業のことを意味します。
キーエンスは、企業や工場が抱える悩みを解決していくための製品を提供しているだけではありません。それに加えて、実際に営業マンが現場に足を運び、顧客と話していくことによって顧客自体も自分自身が気付かなかった潜在的ニーズを洗い出し、それを解決していくための新製品を開発しています!
また、新商品を開発して顧客の課題を解決していくという営業のノウハウを蓄積していくことで、同様の課題を抱えている他業種の顧客に対し、今までのノウハウを活かしてソリューションを提供していくことができます。
キーエンスが取り扱う商品は利益率が高く、非常に高額なものが多いです。しかし、実際にはそのような高額な商品が次々に売れています。
それは、商品がたとえ高額であっても、それを導入することで顧客側がそれ以上の利益を生み出せるのであれば、その商品は顧客にとって「安い」と言えるからです。
例えば1億円のセンサーを導入することで5億円の売上増加につながるのだとしたら、1億円のセンサーを導入するメリットは充分にあると考えられるでしょう。
このように顧客に新しい商品を届けることで顧客の売上増加に貢献しているからこそ、商品が高額であっても飛ぶように売れていきます!
また、キーエンスの商品は世界初、業界初のもので競合他社と価格競争になる心配がありません。
キーエンスが高い利益率を保つため仕組みが分かってきたね!
実はそれだけじゃなくてまだあるんだよ!
さらに、キーエンスは次々と新商品を出し、高い利益率を叩き出すためにファブレス経営を導入しています。
ファブレス経営とは、自社の製造工場を持たない経営スタイルのことを意味します。
一般的に多くの企業は自社工場を構えて大量生産することで安く商品を生産し、高く売るという経営方式を取っています。
自社工場を持つデメリットとして、工場の維持コストなど多大な固定費がかかってしまうこと、新商品を製造するためのラインを新しく作り替えるために手間やコストが発生してしまうことなどが挙げられます。
一方、ファブレス経営では大量生産は行われず、工場を持たないため、固定費や製造ラインの入れ替えの手間などは発生しません。
キーエンスの場合、新商品を生み出してその中で顧客の課題を解決していくというビジネスモデルを取っているため、開発企画の段階で製造ラインを新しく作り替えることができないから新商品の開発を諦めてしまう、というような行き詰まりがあってはいけません。
自由な発想をするためにもあえて自社工場を持たないという選択肢を取っているんだね!
さらに、ひとつの工場だけでなく世界全体やその業界に商品が導入させるように、一度開発した商品の改良を重ね、世界や業界全体に標準化した必要不可欠なものに築きあげています。
実際にキーエンスの海外売上構成比を見ていくと、国内売上が44%、海外売上が56%を占めており、世界で活躍しているグローバル企業であることが分かります!
キーエンスはただの精密機械の販売業ではなく、むしろ最強の営業・開発集団と言えるね!
キーエンス(6861)の配当金の推移、直近の業績はどうなっている?
キーエンスは非常に稼ぐ力が強い企業ですが、配当金を出すよりも企業成長のために投資しているため、配当利回りは0.3%と低めになっています。
配当金の推移を見ていくとここ数年で10倍以上になっている年もあり、かなり増配されていますが、配当金を狙う銘柄ではないと言えるでしょう。
4〜6月の第一四半期決算については前年同期比売上+54.5%、営業利益率+80.7%と素晴らしい結果を出しています!
これは、コロナ危機による経済活動の落ち込みが回復したことで消費や輸出が増加し、企業が新たな設備投資をする世界的な流れに伴い、キーエンスが工場に卸す精密機械が売れたことが背景となっています。
キーエンス(100株755万)を購入するのにおすすめの方法
キーエンスは現在株価75500円ほど、100株購入するには755万円ほどの資金が必要になります。
1銘柄に755万円も突っ込めないよ…
多くの個人投資家にとって、このような金額を一銘柄に投資することは勇気がいることであり、また、分散という観点からもリスクが高すぎます
投資をする上では分散が基本!1銘柄に集中投資は大きなリスクが伴います
幸い高配当株の場合は、1株購入の場合でも配当金が支払われます。
このため、1株購入が可能な「Line証券」などを使い、自分の資金量に応じた株数を購入することを強くお勧めします。
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